5月の日経平均株価は2カ月連続で上昇した。月間終値は前月末比 1919円72銭(5.32%)高の3万7965円10銭と3カ月ぶりに3万7000円台を回復した。米国と中国など各国の貿易交渉の進展期待が相場の支えとなり、上昇基調で推移した。
12日に米中両政府が相互に課していた追加関税の引き下げで合意したのを受けて、日経平均は13日に約2カ月半ぶりの高値をつけた。米中貿易摩擦による世界の景気悪化懸念が後退し、中国関連銘柄や大型株の上昇が目立った。
この月の高値は29日の3万8432円98銭。トランプ政権の関税の大部分を違法とし差し止めを命じた28日の米国際貿易裁判所の判決や、円安の進行が投資家心理を強気に傾けた。エヌビディアの好決算をうけた半導体関連株の上昇も追い風となった。同月の高値と安値(1日の3万6452円30銭)との差である月間の値幅は1980円68銭だった。
JPX日経インデックス400は、米中対立を巡る緊張の緩和を背景として4月22日~5月13日に2009年7月16日~8月4日以来となる13連騰を記録した。29日には約10カ月ぶりの高値をつけた。
日経高利回りREIT指数と日経ESG-REIT指数は2日にそれぞれ2024年8月下旬、同9月下旬以来の高値をつけた。日銀の早期利上げ観測の後退や長期金利の低下傾向を受けて利払い負担増加への懸念が後退し、利回り妙味が増すとの連想から買いが入った。
東京証券取引所プライム市場の5月の売買代金(立会市場ベース)は1日平均で4兆6444億円。前月比で0.07%増加し、11カ月連続で4兆円を上回った。
世界主要8株価指数の5月の月間騰落率をみると、全ての指数が上昇してこの月を終えた。上昇率トップはナスダック総合株価指数で、前月末比9.55%高と2023年11月以来1年6カ月ぶりの上昇率を記録した。米中両政府の関税引き下げ合意により、中国売上高比率の高いテック株が上昇を主導した。日経平均は4位だった。
(2025年6月3日)