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2022年3月の日経平均株価

3月の日経平均株価は3カ月ぶりに上昇した。終値は前月末比1294円61銭(4.88%)高の2万7821円43銭だった。米金融政策の先行き不透明感が後退し、為替の円安・ドル高で外需株を柱とする日本株買いにつながった。ロシアによるウクライナ侵攻の影響は予断を許さないなか、アジア株が軟調、欧州株は膠着した一方、日本株や米国株は健闘した。

日経平均は29日に2万8252円42銭まで上昇して、1月18日以来、約2カ月ぶりの高値をつけた。ウクライナ情勢の懸念などで3月9日に2万4717円53銭と昨年来安値を更新してから、上昇基調に切り替わった。それぞれ、この月の高値と安値であり、その差である月中値幅は3534円89銭で2020年3月(4791円25銭)以来の大きさだった。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が2日、米下院の証言で3月の利上げ方針とともに「0.25%の利上げを支持する提案をしたい」との見解を示した。市場はインフレ対応への過度なスピードでの金融引き締めはないと受け止めつつも、為替が円安・ドル高に振れて日本株への買いに弾みがついた。この月の日経平均の安値(9日)から高値(29日)までの上昇率は14%だったのに対し、日経平均の構成銘柄のうち海外売上高比率が高い企業で構成する「日経平均外需株50指数」の同期間の上昇率は17%と日経平均を上回った。

世界の主要株式指数をみると、香港ハンセン指数が月間で3%強の下落と目立った。米中対立や新型コロナウイルスの感染拡大が響いた。欧州ではウクライナに近く2月の値下がりがきつかったドイツ株価指数(DAX)がほぼ横ばいだった。一方、米国の主要株価指数は2~3%程度の上昇と盛り返し、日経平均はそれらを上回った(4.88%高)。

東証1部の3月の売買代金(立会市場ベース)は1日平均で3兆2835億円となり、市場の活況の目安となる2兆円を大きく上回って、半年ぶりの規模となった。

2021年度の日経平均は2020年度末比1357円37銭(4.65%)安となった。菅義偉前首相の退陣表明を受けた自民党総裁選の論戦で新政権の経済政策期待が強まり、2021年9月14日に1990年8月以来、約31年ぶりの高値となる3万0670円10銭をつけた。その後、コロナのオミクロン型の感染拡大やウクライナ情勢などから売りが優勢となった。

2021年の日経平均・配当指数の最終値は489円16銭となった。2020年から74円13銭高で、データのある1998年以降で2年ぶりに最高を更新した。

202203_225.png(2022年4月5日)