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2022年9月の日経平均株価

9月の日経平均株価は3カ月ぶりに下落した。終値は前月末比2154円32銭(7.66%)安の2万5937円21銭だった。米国で13日発表の8月の消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を上回り、金融引き締めへの警戒感が強まった。米国株の急落につながり、世界的な景気減速懸念も手伝って日本株もつれ安となった。

日経平均は月半ばにかけて米国でインフレのピークアウト期待から株価が上昇したのに合わせて持ち直していた。しかし8月の米CPI発表を受けて市場の見方は一変し、9月21日には米連邦準備理事会(FRB)が0.75%の追加利上げを決めた。米国株の変調に合わせて日経平均も下落に転じ、30日には9月の安値となる2万5937円21銭をつけた。この月の高値(13日の2万8614円63銭)との差となる月間値幅は2677円42銭で、ウクライナ危機を巡り売買が交錯した3月(3534円89銭)以来の大きさになった。

世界景への警戒から売りが目立ったのは外需株だった。日経平均の構成銘柄のうち海外売上高比率が高い企業で構成する「日経平均外需株50指数」は9月に9.50%低下した。一方、同比率が低い企業で構成する「日経平均内需株50指数」は2.44%の低下にとどまった。

5月末に算出を始めた日経平均気候変動1.5℃目標指数は9月中、日経平均株価を90~130円程度下回って推移した。長期的な脱炭素の必要性は変わらないものの、ウクライナ危機などで資源高が根強いなか、当面は資源確保が重要との市場の評価を映し出した。

9月の世界の株価指数をみると、「ゼロコロナ」政策による中国景気の減速懸念もあり香港のハンセン指数が14%程度の下落で目立った。米国のナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数、ダウ工業株30種平均の主要3指数が9~10%程度下げ、日経平均が続いた。

東証プライム市場の9月の売買代金(立会市場ベース)は1日平均で2兆8026億円となり、新しい市場区分で活況の目安とされる3兆円を4カ月連続で下回った。

4~9月の半年間の日経平均は3月末に比べ1884円22銭(6.77%)下落した。下げ幅は2001年4~9月(3225円02銭安)以来の大きさになった。FRBをはじめとする米欧の主要中銀がインフレ抑制の金融引き締めに動き、世界的な景気減速懸念から主要市場で株売りが優勢だった。米主要3指数の下落率が2割を挟む大幅安となったなか、日本株は相対的に健闘した。

202209_225.png(2022年10月4日)