5月の日経平均株価は2カ月ぶりに上昇した。終値は前月末比82円24銭(0.21%)高い3万8487円90銭だった。月の前半に米長期金利の上昇が一服し、17日には米ダウ工業株30種平均が終値で初めて4万ドルを突破。日本時間23日早朝に発表された米半導体大手エヌビディアの決算が好調だったことも日本のハイテク株の買い材料となり、同日の日経平均は3万9103円22銭と4月15日以来の高値を付けた。東京証券取引所に上場する主要な半導体関連株で構成する日経半導体株指数は月間で6.36%上昇した。
一方で、日経平均は30日に3万8054円13銭と約1カ月ぶりの安値まで下げた。日銀の金融政策正常化への思惑などを背景に、同日には日本の長期金利が一時1.1%と約13年ぶりの高水準を記録。堅調な経済指標を背景に米利下げ期待が後退していたこともあり、金利動向に敏感な日本のハイテク株が売られる展開となった。
東京証券取引所プライム市場の売買代金(立会市場ベース)は1日平均で4兆5577億円。4月との比較では2.25%増えたが、大台の5兆円には2カ月連続で届かなかった。
世界に目を転じると、5月は日経平均を含む主要な8つの株価指数のうち7つが上昇した。ハイテク株比率が高い米ナスダック総合株価指数は6.87%と大きく上がり、米S&P500種株価指数も4.80%上昇した。主要指数で唯一下げたのが上海総合指数で、月間で0.58%安となった。
東証に上場する不動産投資信託(REIT)のうち利回りの高い35銘柄で構成する日経高利回りREIT指数は月間で4.06%下落した。日本の長期金利が上昇して利回り差(スプレッド)が縮小したうえ、REIT各銘柄の利払いコストの増加懸念も強まった。
(2024年6月3日)