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2021年9月の日経平均株価

9月の日経平均株価は2カ月連続で上昇し、14日に約31年ぶりの高値を記録した。支持率が低迷している菅義偉首相が月初に退陣を表明し、29日の自民党総裁選に向けた論戦による次期首相の景気浮揚策への期待が高まり、月半ばにかけて上昇が勢いづいた。その後は高値警戒感などから頭打ちになったが、9月を通じて海外の主要株価指数を大きく上回る好成績を収めた。

日経平均は14日に3万0670円10銭となり、2月16日の3万0467円75銭を上回って、1990年8月1日(3万0837円99銭)以来の高値を記録した。この月の高値であり、安値(9月1日の2万8451円02銭)との差となる月間値幅は2219円08銭で前月から約2倍に拡大した。

9月末は前月末比1363円12銭(4.85%)高の2万9452円66銭で終えた。米金利高懸念などからダウ工業株30種平均が月間で5%近く下落するなどして振るわなかった海外主要株との値動きの違いが鮮明だった。

日経平均が14日の高値に向かう過程では、先物主導による値がさ株や大型輸出株への買いが主導した。日経平均外需株50指数は上旬に6月の高値を抜いて14日に過去最高の32438.45となった。

月後半にかけては、新型コロナウイルスの新規感染者数が東京都で1日当たり300~500人程度と月初の3000人級から大きく減少し、経済の正常化期待が盛り返した。中国の不動産大手、恒大集団の資金繰り懸念の台頭もあり、東京市場では物色の矛先が内需株にシフトした。日経平均内需株50指数は28日に19836.81と3月以来の高値をつけた。

東証1部の9月の売買代金(立会市場ベース)は1日平均で3兆4060億円となり、前年同月に比べて5割増の活況となった。

4~9月の半年間の日経平均は273円86銭上昇した。2月の高値を付けて以降は世界的なコロナ感染の再拡大や中国政府による産業規制姿勢などを受けて振るわなかったが、菅首相の退陣表明をきっかけにした急騰劇でプラス幅を確保した。期間中の高値は9月14日の3万0670円10銭、安値は8月20日の2万7013円25銭だった。

202109_225.png(2021年10月4日)