11月の日経平均株価は月間で2628円04銭(8.51%)上昇し、3万3486円89銭で終えた。5カ月ぶりに上昇に転じ、月間の上昇幅・上昇率はともに2020年11月以来の大きさとなった。米国や日本の長期金利低下を背景に半導体関連や電子部品などのグロース(成長)株を中心に買いが優勢となった。日本企業の好決算も好感された。
月間を通じて上昇基調で推移した。日経平均は20日に一時3万3853円46銭まで上昇し、7月3日につけた33年ぶりの高値(3万3753円33銭)を上回った。11月の高値である24日(3万3625円53銭)と1日の安値(3万1601円65銭)の差である月間値幅は2023円88銭と3カ月ぶりの大きさだった。
米連邦準備理事会(FRB)が1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めた。14日発表の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回るなど米国のインフレ鈍化を示す経済指標が目立ち、利上げ局面が終了したとの見方が強まり、米長期金利は上旬の上昇一服から低下傾向に転じた。米国市場に歩調を合わせ日本市場でもハイテク関連株の相対的な割高感が薄れて見直し買いが入った。米CPI発表を受けた15日の日経平均は前日比823円77銭(2.51%)上昇し、上昇幅・上昇率ともに今年最大だった。
日経指数の動きをみると、日経平均外需株50指数が月間で8.91%高と目立った。構成銘柄のハイテク関連株などが為替相場の円高傾向を打ち消して上昇をけん引した。日経平均内需株50指数は0.85%高にとどまり、日経平均が外需株主導の上昇だったことを映し出した。JPX日経中小型株指数は30日に2021年9月28日以来の高値をつけた。中小型のハイテク関連株の上昇を受けた。
世界の8つの主要株価指数では、月間で10.69%上昇した米ナスダック総合株価指数が騰落率トップだった。ハイテク関連株の上昇を映して8~10月の下落分を1カ月でほぼ取り返した格好だ。2位のドイツ株価指数(DAX)は9.48%高と月間の上昇率が3年ぶりの大きさとなった。金利の先高観が薄れ、投資家心理が改善した。米国の2指数が3~4位に入り、日経平均は5位だった。中国景気への懸念が重荷となったハンセン指数は0.40%安と唯一下落した。
東京証券取引所プライム市場の11月の売買代金(立会市場ベース)は1日平均で4兆2億円だった。今年最大となり、活況の目安とされる3兆円を7カ月連続で上回った。
(2023年12月4日)