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2023年8月の日経平均株価

8月の日経平均株価は前月末比552円88銭(1.66%)安の3万2619円34銭となり、2カ月連続で下落した。市場参加者が夏季休暇に入り商いが細る「夏枯れ」相場のなか、米国の追加利上げ警戒感や中国景気の先行き懸念が重荷となった。

日経平均は2日に3万2707円69銭と前日比768円89銭(2.29%)下落し、2022年9月中旬以来の下落幅となった。前日の米国市場で長期金利が上昇して割高感が意識されたハイテク株が売られた。日本時間の2日朝方に大手格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国の長期外貨建て発行体格付けの引き下げも伝わり、東京市場でも長期金利に上昇圧力がかかり、半導体関連など高PER(株価収益率)銘柄を中心に売られた。

中国の経済指標の弱含みから景気の先行き不透明感が強まった。17日には経営再建中の不動産大手、中国恒大集団が米国で破産法の適用を申請した。投資家のリスク回避姿勢が強まって日本株売りにもつながり、日経平均は18日に 3万1450円76銭と6月1日以来の安値で終えた。8月の高値(1日の3万3476円58銭)との差となる月間値幅は2025円82銭だった。

国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が25日、講演した。市場に驚きを与える内容ではなく、過度な金融引き締めへの警戒感が後退した。日経平均は月末にかけて4日続伸し3万2000円台後半を回復した。

日経平均高配当株50指数は月末にかけて連日で高値をつけ、31日に前月末比2.67%高い5万5966.26となって最高値を更新した。相場の先行き不透明感から配当面に着目した資金が流れ込んだ。6月末に算出公表を始めた日経連続増配株指数と日経累進高配当株指数も8月末に最高値をつけた。日経平均気候変動1.5℃目標指数は日経平均を150~340円程度下回る水準で推移した。長期的に気候変動対策は必要だが、ウクライナ危機などを受けて目先は資源確保を優先するべきだという市場の見方を映している。

世界の8つの主要株価指数は8月に軒並み下落し、日経平均の下落率が最も小さかった。一方、最も下げたのは香港のハンセン指数で8.45%安となり、下落率は6カ月ぶりの大きさとなった。中国の景気不安が響いた。

東証プライム市場の8月の売買代金(立会市場ベース)は1日平均で3兆3967億円となり、新しい市場区分で活況の目安とされる3兆円を4カ月連続で上回った。20238.png

(2023年9月5日)