4月の日経平均株価は4カ月ぶりに下落した。終値は前月末比1963円78銭(4.86%)安い3万8405円66銭で、下げ幅は2022年9月以来1年7カ月ぶりの大きさとなった。米国の根強いインフレを背景にFRB(米連邦準備理事会)の利下げ期待が後退し、東京市場でも金利動向に敏感なハイテク関連株が下落。東京証券取引所に上場する主要な半導体関連銘柄で構成する日経半導体株指数は3月末比で10.94%安と大幅に下げた。イスラエルがイランを攻撃するなど中東情勢が緊迫化したのを受け、リスク回避のために持ち高を減らす動きも広がった。
日経平均は4月第3週(15~19日)に週間で2455円20銭下落し、新型コロナウイルス感染が急拡大した2020年3月第2週(9~13日、3318円70銭安)以来の下げ幅を記録。4月19日には3万7068円35銭と2月9日以来、約2カ月ぶりの安値を付けた。
米利下げ期待の後退により円安・ドル高が進み、4月下旬には一時1ドル=160円台とおよそ34年ぶりの円安水準を記録した。業績改善期待から輸出関連株を買う動きがみられた半面、急速な円安による輸入物価上昇への警戒感も強まったため、相場全体の押し上げにはつながらなかった。
東京証券取引所プライム市場の売買代金(立会市場ベース)は1日平均で4兆4572億円。3カ月ぶりに5兆円の大台を割り込んだ。
4月は日本だけでなく欧米でも株価の下落が目立った。世界の主要な8つの株価指数のうち5つが下落し、米国のダウ工業株30種平均(5.00%安)が最も大きく下げた。ハイテク株比率が高い米ナスダック総合株価指数も4.40%下落した。一方で香港のハンセン指数は7.38%高となり、上海総合指数も上昇した。
日経平均構成銘柄のうち配当利回りが高い50銘柄で構成する「日経平均高配当株50指数」は月間で2.15%上昇した。株式相場の不安定さが増しているだけに、高配当企業に改めて注目する投資家が増えているようだ。
(2024年5月1日)