4月の日経平均株価は6カ月ぶりに反落した。終値は2万8812円63銭で、3月末に比べ366円17銭(1.25%)安となり、月末として3カ月ぶりの安値になった。世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、日本では東京都などを対象に3度目の緊急事態宣言が25日に発令された一連の動きから、幅広い銘柄が売られた。日本のワクチン接種の遅れが市場で意識され、主要な米欧株式指数に比べた不振が目立った。
日経平均は上旬の取引時間帯を中心に3万円台を付けていた。米政権の2兆ドル(約220兆円)のインフラ投資計画などが後押しした。その後、世界的に変異種のコロナ感染が広がるなか、日本では東京都が21日夜に緊急事態宣言の発令を政府に要請した。日経平均は4月半ばから下落が進み、21日に3月24日以来、約1カ月ぶりの安値となる2万8508円55銭となった。4月の高値は5日の3万0089円25銭で、月中の値幅は1580円70銭だった。
21日に4月の月間安値を付ける過程では、国内経済の下振れを意識した内需株への売りがかさみ、日経平均内需株50指数も21日に18275.71と2月4日以来、2カ月半ぶりの低水準となった。
月末にかけては主要企業の2021年3月期決算発表が相次いだ。コロナ禍の収束が見えないなか、企業決算が好内容でも物色が広がらず、業績相場による日経平均の押し上げ効果は限定的なまま4月の取引を終えた。
月間の日経平均の下落率(1.25%)は、米国のS&P500種株価指数(5.24%高)やダウ工業株30種平均(2.70%高)、英国のFTSE100種総合株価指数(3.81%高)に比べて不調だった。
東証1部の1日平均の売買代金(立会市場ベース)は2兆3718億円だった。3月(3兆161億円)から減少して4カ月ぶりの低水準となったが、市場の活況度合いの節目となる2兆円は上回った。
(2021年5月11日)