12月の日経平均株価は大幅に続伸した。終値は2万7444円17銭で、11月末と比べ1010円55銭(3.82%)高だった。月次の終値としては1990年7月(3万1035円66銭)以来、30年5カ月ぶりの高い水準だった。月初から中旬にかけて、2万6000円台を維持しながらも膠着ムードが続いたが、月末は買いの勢いに弾みがついた。海外で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、近いうちに経済活動の停滞が和らぐとの期待が広がった。
米国の経済対策成立や英国の欧州連合(EU)離脱交渉がまとまったことなども追い風に、世界の景気先行きへの悲観が後退した。世界的な株高基調に乗り、日経平均は特に29日には2万7568円15銭をつけ、1990年8月15日(2万8112円12銭)以来の高い水準まで上昇した。
国内外で新型コロナの感染拡大は続いたが、米連邦準備理事会(FRB)が完全雇用に近づくまで金融緩和を維持する方針を打ち出し、株式市場に買い安心感が広がった。英国などで新型コロナの変異種の感染が確認された22日こそ12月の安値となる2万6436円39銭まで下げたが、安い水準では日銀による上場投資信託(ETF)買いの観測も相場を支えた。月中値幅は1131円76銭だった。
日経平均を東証株価指数で割る「NT倍率」は月初と月末には15倍台となり、値がさの優良株の堅調ぶりを示した。東証1部の1日平均の売買代金(立会市場ベース)は2兆2726億円だった。
2020年の日経平均は19年末から3787円55銭(16.01%)高と続伸した。上げ幅は安倍晋三前首相の打ち出す経済政策に期待が高まった13年(5896円13銭高)以来の大きさだった。新型コロナの世界的な感染拡大の影響を警戒し、3月19日には1万6552円83銭まで下げたが、主要国の金融緩和を背景に株式市場に投資マネーが流入し、その後は堅調だった。1年を通じ振れ幅が大きく、値幅は1万1015円32銭となり、1990年(1万8491円02銭)以来、30年ぶりの大きさだった。20年の1日平均の売買代金(立会市場ベース)は2兆4102億円だった。
(2021年1月6日)