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2020年1月の日経平均株価

1月の日経平均株価は5カ月ぶりに下落した。終値は2万3205円18銭で、2019年12月末と比べて451円44銭(1.90%)安だった。中国・武漢で発生した新型コロナウイルスに感染した患者が世界的に増え、日系企業の工場の操業休止が長引く影響や、訪日観光客の減少による消費減速に対する懸念が広がった。

中国政府は公共交通機関の停止で武漢市を事実上封鎖し、国内外の団体旅行を禁止したが、感染者数は世界的に広がり、事態は悪化の一途をたどった。日経平均は月末にかけて下げ幅を広げる展開で、30日には終値ベースで2万2977円75銭と、19年11月1日(2万2850円77銭)以来、ほぼ3カ月ぶりの安値をつけた。

20年最初の日経平均は大発会の下げ幅として歴代4位のワースト記録となる451円76銭安で始まった。米国によるイラン革命防衛隊司令官の殺害で両国の対立激化を警戒し売りが優勢だった。ただ、その後は軍事的に激しく報復し合う事態には至らず、市場の動揺は限定的だった。

相場を左右してきた米中関係には緊張緩和の見方が大勢となり、相場を支えた。中旬には米国が中国を為替操作国の指定から外したほか、中国が米国産の農産品やエネルギーを買う一方で、米国が中国製品への追加関税を下げることを盛り込んだ「第一段階の合意」に双方が署名した。対立を深めてきた米中双方が歩み寄ったことで、日経平均は20日に2万4083円51銭まで上昇し、18年10月3日(2万4110円96銭)以来、約1年3カ月ぶりの高値水準となった。

月初の売買は米国とイランの対立を背景に活発だった。主要企業の決算発表が相次ぐとあって、結果を見極めようとする動きにより、中旬以降の東証1部の売買代金は節目の2兆円を割り込む日が続いた。月末には新型肺炎の世界経済への影響を織り込む動きで売買は膨らんだ。1月の東証1部の1日平均売買代金(立会市場ベース)は2兆922億円だった。

日経平均の予想変動率を示す「日経平均ボラティリティー・インデックス」は新型肺炎の広がりと世界経済に与える影響への警戒を背景に、28日には取引時間中に一時20.62をつけた。19年8月26日以来、約5カ月ぶりの20台乗せだった。月半ばまでは米中関係の対立緩和を背景に、13から14の水準で推移していた。

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(2020年2月3日)