5月の日経平均株価は反落した。月末の終値は2万0601円19銭で、4月末と比べると1657円54銭(7.44%)安だった。米中の貿易摩擦が激しさを増し、影響の広がりを警戒する売りが広がった。下げ幅は2018年12月(2236円29銭)以来の大きさだった。月末終値が5月の安値で、2月8日(2万0333円17銭)以来の安い水準だった。
日本が改元に伴う10連休に入っていた5日、トランプ米大統領が突如、中国の輸入製品2000憶ドル(約22兆円)分に対する関税を10%から25%に引き上げる、と発表した。連休前の相場は事態打開を楽観する動きが支えていただけに、動揺が広がった。日経平均は新元号「令和」に入って最初の取引以降、6営業日連続で下げ、この間だけで1191円下落した。
日経平均の予想変動率を示す「日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)」は10日、取引時間中に24.66まで上昇した。取引時間中として1月8日(25.98)以来、約4カ月ぶりの大きさだった。その後上昇の勢いは一服したが、月間の平均(終値ベース)で比べると4月は約16だったが5月は約20に上昇した。
米国政府は中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)に対し、製品供給を禁じる措置にも踏み切った。半導体をはじめ関連する銘柄の業績には逆風の動きとして、相場の重荷になった。国内でも3月の景気動向指数の基調判断が6年2カ月ぶりに「悪化」に転じるなど、日本株の先行きについて懸念材料が増えたため、5月の日経平均はどの週も前の週から下落した。立会市場ベースの1日あたりの平均売買代金は2兆4180億円で、4月から11.78%増だった。ただ、米中貿易摩擦の行方を見極めようと様子見気分も広がり、売買代金が2兆円割れとなる日もあった。
物色の矛先は内需株に向かった。日経平均の構成銘柄から50銘柄ずつ選んだ「日経平均内需株50指数」と「日経平均外需株50指数」について4月末を基準に相対比較すると、日経内需株50は5月を通じて底堅く推移し、この間に大きく低下した日経外需株50とは対照的な動きだった。
(2019年6月5日更新)