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2018年8月の日経平均株価

8月の日経平均株価は3カ月連続で上昇した。月末の終値は2万2865円15銭で、7月末に比べ311円43銭(1.38%)高だった。トルコの通貨急落でリスクを回避する動きが広がり、ほぼ1カ月ぶりに2万2000円を割り込む場面があったが、その後は米株高や好調な国内企業業績を手がかりに8営業日続伸を記録するなど堅調だった。

市場の新たな不安材料になったのは米国とトルコの対立だった。トルコ在住の米国人牧師の拘束を巡って対米関係が悪化し、金融市場ではトルコの通貨リラが急落した。「トルコへの貸し出しが多い一部の欧州金融機関について、欧州当局が懸念している」と伝わると、株式市場でもリスクを回避する動きが広がり、日経平均は10日と13日の2営業日で740円下げた。13日は2万1857円43銭と2万2000円を割り込み、8月の安値となった。日経平均の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)も13日には7月5日(20.55)以来、ほぼ1カ月ぶりの高さとなる18.94まで上昇した。

米中貿易摩擦は引き続き相場の重荷で、23日には米国が中国に対する制裁関税の第2弾を発動した。中国も報復措置で応じ、米中の長引く対立が売買低調の一因になった。東証1部の売買代金は17日から7営業日連続で1兆円台にとどまった。1日平均で見ても2兆2111億円で、7月から5.43%減少した。

4~6月期決算で多くの日本企業が安定的な収益拡大を示したとあって、月後半は消去法的な買いが入り、日経平均の上昇につながった。21日から30日まで8営業日続伸し、2017年10月2日~24日の16営業日以来の長さだった。月末の28日と30日は取引時間中に2万3000円台まで上昇したが、戻り待ちの売りが多く、維持できなかった。8月の高値は30日の2万2869円50銭だった。

中小型株はさえなかった。東証1部や2部、マザーズ、ジャスダックに上場する200銘柄で構成するJPX日経中小型株指数は21日に年初来安値となる1万4244.31をつけ、2017年9月27日(1万4212.98)以来の安い水準まで下げた。同じ日には日経ジャスダック平均株価も3671円08銭まで下落し、年初来安値をつけた。相場を下支えしている日銀の上場投資信託(ETF)購入だが、仮に減額した場合は需給面で中小型株に影響が出やすい、との見方が市場の警戒につながった。日銀の黒田東彦総裁は7月末の記者会見で、ETFの買い入れについて年6兆円を下回ることもありうる、と示しており、安い水準でも個人投資家の物色は広がらなかった。

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(2018年9月4日更新)