日経平均株価の元となる当初の指数は株価合計を銘柄数で割った単純平均だったといわれています。しかし、銘柄入れ替えや株式分割・併合があると、その前後で株価の合計が変化し平均値も変わります。相場が変動していなのに値だけ変化するのでは適切な株価指数とはいえません。
このため、日経平均の算出では「株価換算係数」(指数用語解説)で調整した株価を合計したうえで、指数としての連続性を維持するための特別な数である「除数」を用いて調整します。この算出方法は米国のダウ工業株30種平均と同様であるため、「ダウ式」と呼ばれることもあります。
具体的には、指数を計算する際、分母にあたる除数を銘柄入れ替えや株式分割・併合などがあるたびに修正します。例えば、A、B、Cの3銘柄で構成する株価指数があると仮定します。それぞれの株価は400円、500円、900円(株価換算係数はすべて1)で株価合計は1800円です。当初の除数を銘柄数と同じ3とすると、指数は1800円÷3=600円となります。仮にAを除外し、株価が1000円のD(株価換算係数は1)を新規に採用したとすると、B、C、Dの株価合計は2400円となり、分母が3のままで計算すると指数は2400円÷3=800円に上がってしまいます。
実際は銘柄をAからDに入れ替えただけで、市場の価格変動を反映しているわけではありません。そこで、以下の式のように銘柄入れ替え前の1800 円と入れ替え後の2400 円の比率を旧除数の3に乗じ、新除数を4として計算する(3×2400÷1800=4)と、指数値は2400円÷4=600円となり、銘柄入れ替え前と変わらず連続性が保たれます。
日経平均の除数は、日本経済新聞朝刊の「クローズアップ日経平均株価」に掲載しています。日経平均プロフィルのアーカイブ「日次サマリー」では、2004年9月末以降の日々の値を参照できます。
(2017年4月21日更新、2022年4月4日追記)