ESG

「ESG」はEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(統治)の頭文字を取った言葉で、ESG投資とはこれら3つの要素に配慮した企業の取り組みに注目した投資のことです。例えば、二酸化炭素の排出量を抑えたり、リサイクル原料を製品に用いたりといった環境への配慮をしているか(E)、少子化や子育て対策も含めた女性の積極活用など社会的な役割を十分に果たしているか(S)、あるいは積極的な情報開示や独立社外取締役の選任などを通じてコーポレートガバナンス(企業統治)が十分に機能しているか(G)など財務データに表れない企業活動を評価して投資します。

これらの取り組みは、企業の利益や成長、経営の効率性とは相反するように思われがちですが、ESG投資は社会的な配慮が行き届いた「良質な企業」こそが持続的に成長し、長期的には良いリターンを得ることができるとの考え方に基づいています。

ESG投資は国連が2006年、機関投資家向けに「責任投資原則(PRI)」を打ち出したことをきっかけとして、欧州を中心に普及しはじめました。2008年のリーマン・ショック以降、米国でも企業の社会的な役割を重視する傾向が強まり、有力な年金基金などの機関投資家の間で広がりました。日本でも、コーポレートガバナンスの要素を銘柄選定の際の加点対象とした「JPX日経インデックス400」の算出が始まり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資のための指数を公募するなど注目が高まりつつあります。

(2016年9月13日更新)