配当指数は、株価指数の構成銘柄すべてを1月から12月まで保有した場合に受け取る配当額を積み上げて指数化したものです。株価の代わりに1株あたりの配当額を指数の計算式に当てはめて計算するのが一般的です。年ごとに指数を積み上げるため、「2015年の日経配当指数」のように年号を持ちます。
欧州を中心に減配リスクをヘッジする手段として配当スワップが店頭市場で活発に取引されていたことを背景に、2008年にユーロ圏の株価指数STOXX50を対象にした配当指数とその先物取引がはじまりました。配当指数先物取引では、各年の配当指数の最終値が確定する前の段階で、最終値がどのくらいになるかを予想して売買します。配当が増えると予想すれば買い、減ると予想すれば売るわけです。銀行など大量の銘柄を保有する機関投資家は、先物を売っておけば減配リスクをヘッジできます。
2009年には英FTSE100種株価指数や米S&P500種株価指数を対象にした配当指数が登場しました。日本では、2010年に日経平均株価の構成銘柄を対象とした日経平均・配当指数(日経配当指数)のほか、東証株価指数(TOPIX)やTOPIX Core30を対象にした配当指数の公表が開始されました。現在、日経配当指数を原資産とした日経平均・配当指数先物は、大阪取引所とシンガポール取引所(SGX)で売買できます。
日本の場合、株主が受け取る配当の権利は、いわゆる配当落ちの日に確定しますが、その配当額は(配当落ち日以降の)決算発表時や株主総会などで確定します。例えば、12月決算の会社の場合、翌年の3月の株主総会で期末配当額が確定します。こうして構成銘柄すべての配当額が確定した後、4月初めに前年の配当指数の最終値が決まります。
2016年4月に確定した「2015年の日経配当指数」は326円72銭と、データのある1998年以降で初めて300円を超え、3年連続で過去最高を更新しました。近年、日本企業が株主重視の姿勢を鮮明にしていることの表れと言えます。
(参考情報)日経平均プロフィル「日経平均・配当指数 算出要領」
(2016年7月11日更新)