2012.2.14

バレンタイン緩和

日銀は2012年2月14(火)の金融政策決定会合で追加金融緩和を全員一致で決めた。国債などを買い入れて資金供給する基金の規模を10兆円増やして65兆円とする内容だった。バレンタインデーにあたる2月14日の日経平均は2001年から毎年上昇しており、午後の取引開始直後に発表された金融緩和を東京株式市場は「日銀からの思わぬプレゼント」(国内証券)と受け止め、小安く推移していた株価は上昇に転じた。終値は前日比52円(0.59%)高の9052円だった。

15日(水)は「バレンタイン緩和」の影響が拡大し、東証1部銘柄の7割が上昇した。けん引役は大型株を購入する外国人投資家。トヨタ自動車の株価は急伸し売買代金のトップだった。11年に東京株式市場の売買全体の3分の2を占めた外国人投資家は日本株の購入姿勢を強めており、追加緩和で「カネ余りの株高が加速する」(外資系証券)と期待が高まった。同日の終値は前日比208円(2.3%)高の9260円と半年ぶりに9200円台を回復した。

16日(木)は利益確定売りが優勢となり東証1部銘柄の7割が値下がりしたが、17日(金)以降は再び上昇傾向を強め1カ月後の3月半ばに日経平均は1万円台を回復した。「バレンタイン緩和」は景気や市況の悪化に受け身の対応を繰り返してきた日銀の白川方明総裁(当時)が攻めの金融緩和に向けて半歩踏み出した出来事だった。しかし、株式市場への衝撃の度合いは黒田東彦総裁による13年4月の「異次元緩和」に比べると限定的であった。

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※日経平均プロフィルの「日次サマリー」では、04年9月末以降の日経平均の日中の値動きを振り返ることができます。日経平均の「上昇・下落記録」もご覧いただけます。

(2018年2月28日更新)