2014.10.31

サプライズ追加緩和

2014年10月31日(金)午前の東京株式市場で日経平均株価は緩やかに続伸していた。前日発表の14年7~9月期の米国の実質国内総生産(GDP)が市場予想を上回り、米景気の回復期待から東京市場では自動車など輸出関連株に買いが入った。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が海外資産や日本株を買い増すとの報道も株価を押し上げた。

日銀は31日の金融政策決定会合で追加の金融緩和を決定。資金供給量と長期国債の買い入れ量を大幅に増やし、上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の購入量を3倍にするとの内容が午後になって伝わると、株式市場では前日比250円高程度で推移していた日経平均が一時、前日比875円高まで上昇した。終値は755円(4.83%)高の1万6413円と6年ぶりの上げ幅を記録した。

連休明けの11月4日(火)の東京市場でもサプライズ追加緩和の影響は続いた。輸出関連株に加え、金融緩和の恩恵が大きい不動産銘柄の上昇が目立った。東証1部の売買代金は5兆円を超え、日経平均は終値で前週末比448円高の1万6862円と年初来高値を更新。10月31日とあわせた2日間の上昇幅は1204円と13年4月の「異次元緩和」で3日間に830円上げた時を上回った。

サプライズが強烈だったのは日銀のメッセージが明確だったからだ。黒田東彦総裁は記者会見で「デフレ脱却へ揺るぎない決意だ」と2%の物価上昇率達成へのこだわりを強調。多くの市場関係者が「物価が思うように上がらなければ、日銀は再び緩和に踏み切るのではないか」と受け止めたことが株価急騰の最大のポイントだった。

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※日経平均プロフィルの「日次サマリー」では、04年9月末以降の日経平均の日中の値動きを振り返ることができます。日経平均の「上昇・下落記録」もご覧いただけます。

(2017年11月8日更新)