2013年4月4日(木)は安倍晋三首相が就任してからちょうど100日目だった。「アベノミクス」のもとで円安と株高が進み、内閣支持率は7割前後と高い水準を維持していた。東京株式市場は前日に株価が大幅上昇(358円高)した反動で前場は利益確定の売りや株価先物指数への売りが先行し、日経平均株価は1万2200円をやや下回る水準で推移していた。黒田東彦総裁の就任後、初となる日銀の金融政策決定会合が午前9時から開かれていたが、市場関係者は「就任2週間で市場の期待すべてに応えるのは難しい」と様子見の姿勢だった。
午後1時35分に決定会合が終了し日銀が「量的・質的金融緩和」を決めたと発表した直後から、買い注文が殺到し日経平均は上げに転じた。長期国債やリスク性資産の購入拡大など期待された内容をほぼすべて盛り込んだ「満額回答」との声が市場関係者から相次ぐ中、銀行株が軒並み上げに転じた。金融緩和を受けた円安・ドル高で採算が改善するとの期待された自動車株にも買いが集まった。日経平均は安値から高値までの幅が558円と東日本大震災直後(11年3月中旬)以来の大きさとなり、前日比272円高の1万2634円で取引を終えた。
「異次元緩和」のショックは5日(金)も続いた。朝方の日経平均は前日比の上げ幅が590円を超えた。しかし、後場に入ると株式と同様に大商いとなった債券の先物市場で価格が急落し、日経平均も急速に上げ幅を縮めて、199円高で大引けを迎えた。株価が乱高下した5日の東京証券取引所第1部の株式売買高は約64億4900万株と、それまでの過去最高だった東日本大震災後の11年3月15日(約57億7700万株)を上回った。
※日経平均プロフィルの「日次サマリー」では、04年9月末以降の日経平均の日中の値動きを振り返ることができます。日経平均の「上昇・下落記録」もご覧いただけます。
(2017年4月7日更新)