2010年に入ると日経平均株価は当初は1万円前後で推移しましたが、11年3月11日に東日本大震災が発生。東京電力福島第1原子力発電所の事故が深刻さを増した15日の日経平均株価は終値で1015円安の8605円まで下げました。同日の下落率(10.55%)は1987年のブラックマンデー、2008年のリーマン・ショック後に次ぐ大きさでした。
12年末に発足した第2次安倍晋三内閣は、デフレ経済からの脱却を目指し、大胆な金融緩和と機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」を組み合わせたアベノミクスを掲げました。この中で13年3月に就任した日銀の黒田東彦総裁は年率2%の物価上昇率を目標に、長期国債の大規模購入など大胆な金融緩和策を打ち出しました。海外投資家は政府・日銀の政策への期待から日本株買いを加速。外国為替市場で円安が進んだことも追い風となり、日経平均は5月に1万5000円台を回復しました。
14、15年は円安や原油価格の下落が国内企業の業績回復につながり、日経平均は15年4月23日、終値ベースで15年ぶりとなる2万円台を回復しました。しかし、世界経済の成長をけん引してきた中国の株式市場で上海総合指数が7月に急落したことを受け、日経平均は再び2万円を割り込みました。
16年の日経平均は6月の英国民投票による欧州連合(EU)離脱決定後に一時1万5000円を割り込むなど、想定外の事態に乱高下を繰り返しました。潮目が変わったのは11月の米大統領選。トランプ氏の当選が決まってドル高・円安となり、日経平均は上昇傾向を強めました。17年に入ると北朝鮮のミサイル発射もあり2万円の大台を前に一進一退が続きましたが、衆院選で与党が圧勝した10月に1950年の算出開始以来初めてとなる16営業日連騰を記録。年末終値は16年から2割近く上昇して1991年以来の高値水準を回復しました。