2000年代に入り、日本の株式市場は国際経済の波乱に翻弄されることになります。2000年3月10日、IT(情報技術)関連銘柄を多く含む米ナスダック総合株価指数が取引時間中に1年前の2倍以上となる高値5132.52を付けました。「ドットコム・バブル」と呼ばれるインターネット関連株人気が頂点に達した瞬間です。しかしその後、金融引き締めを背景にネット関連株は急落に転じます。ITバブル崩壊は日本にも波及し、2000年3月に2万円台に乗せていた日経平均は同年10月に1万5000円を割り、01年8月末には1万713円と1万円の大台割れ寸前まで下げました。
そこへ追い討ちをかけたのが、01年9月11日の米同時多発テロです。翌12日の東京市場で日経平均はあっさり1万円を割り、終値で前日比682円(6.6%)安い9610円まで下げました。いったん持ち直しますが、02年半ばから米国景気の悪化懸念などを背景に再び下げ足を速めてテロ後の安値を下回り、10月に9000円を割ります。翌03年3月前半には米国の対イラク戦争が近づいた緊張感も加わって20年ぶりに8000円を割り込みました。
その後、株式相場は景気回復への期待から上げに転じます。07年に米国で信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が広がるまで、日経平均は4年間にわたり上昇基調をたどりました。バブル崩壊後、株式市場が最も元気を取り戻した時期といえるでしょう。戦後最長となった景気拡大は08年2月まで73カ月間続き、株価を押し上げました。
しかしこの好景気は米国の金融緩和政策や住宅ブームに支えられた面も強く、その副作用がサブプライムローン問題という形で一気に表面化します。日経平均は07年7月に1万8000円台に乗せていましたが、8月にサブプライム問題を背景とした米国株安や円高ドル安が進むと1万5000円台に下落。その後も同問題が米国経済に及ぼす影響への懸念からじりじりと下げが続きますが、08年9月、大手証券リーマン・ブラザーズが経営破綻に追い込まれると、世界の金融市場は大混乱に陥ります。
「リーマン・ショック」が響いて日経平均は10月に7100円台まで下げ、バブル後安値を更新。09年に入ると米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の経営不安などが高まり、3月10日終値で7054円98銭と7000円割れ寸前まで下げました。バブル後崩壊後の最安値となる26年ぶりの低水準でした。